企業文化が生み出す新たなお客様とのコミュニケーション
編集部:今回は、サローネ対談の第7回目です。
今回は、いつものようにITによる社会システム革新に詳しいディーフォーディーアールの藤元健太郎さん(以下敬称略:藤元)と、
ソーシャルメディアの活用にいち早く企業として取り組んでいる株式会社ローソン広告販促企画部の白井明子さん(以下敬称略:白井)にお越しいただいております。
お二人には、「企業文化が生み出す新たなお客様とのコミュニケーション」というテーマで、ソーシャルメディアの活用から、
社会におけるコンビニの新しいあり方にいたるまで幅広く、お話をお伺いしたいしたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
●風通しの良い企業風土がソーシャルメディアの活用を生む
藤元:白井さんは、企業におけるソーシャルメディア活用の成功事例を作り出したということで、あちこちのメディアでひっぱりだこですが、
今日は、ソーシャルメディアの活用法だけにとらわれず、どのようにしてローソンから新しい企画がどんどん出てくるのかについても、お伺いしたいと思います。
まず私の読みを申し上げますと、ソーシャルメディア活用の成功には、新しい企画を通せる企業文化が非常に大きく影響していると考えています。
会社全体が創造性豊かなために、ソーシャルメディアもうまく活用できる土壌があるのではないでしょうか。
ついついソーシャルメディア単体で見て、無印良品さんやローソンさんが注目されるわけですが、うまくいかない企業をみると、
ソーシャルメディアを扱っている部隊が孤立してしまっています。
ローソンは、組織内の風通しが非常にいいように聞いていますが、そのへんは、いかがですか?
白井:風通しは良いと思いますね。縦の連携だけでなく、横のつながりも強いことが特徴かと思います。
藤元:出店戦略が重要だった時代は、軍隊型組織が一番効率的でした。ロジスティクス(兵站)を確保して、前線を拡大していくという軍隊の動きに似ていたからです。
しかし、今のように出店よりも店舗当たりの価値を高めるという競争のフェーズに入ると、これまでとは異なる動きが求められています。
それは、創造性とか新しいアイデアとかイノベーションと呼ばれるものです。
コンビニ業界には、今、新しい動きが社会から必要とされているのだと私は考えています。
白井:大ヒットした「プレミアムロールケーキ」は、そういった部門横断型の組織から生まれた成功事例かと思います。
商品部のブランドマネージャーを中心に、マーケティング、経営戦略、広報、営業などの各部門から編成されたチームで、
週に1、2回のブレストから出来上がったのがこの「プレミアムロールケーキ」なんです。
このような部署を横串にするようなタスクフォースがいくつか立ちあがっていて、そこから成功事例が出始めているように感じます。
藤元:この「プレミアムロールケーキ」では、ローソンが先陣を切って、そのあと他社が追随して行きました。こうした成功は、やはりそういう組織や人の動きに関係していたのですね。
先ほどのブレストの時に、ソーシャルメディアを使おうとかいう話も出てきたのですか?
白井:そうですね。「プレミアムロールケーキ」に関しては、比較的早い時期からソーシャルメディアを意識していたと思います。
藤元:私は多くの企業の方とお話をする機会があるのですが、ソーシャルメディアをやりたくても社内の横のつながりが弱く、あれがダメ、これがダメということが多いようです。
その話はどこどこの部署を通してやらないといけないとか。あるいは、上司の許可を待っていたり、発言を選んでいるうちに炎上してしまったり。
そういう目にあって、担当者が萎えちゃうようなことがあるようですね。それで、すっかりブルーになって活動を停止する。
先ほどのローソンの例を聞いてみると、やはり「やってみようよ」という風土がないと、ソーシャルメディアはうまくいかないのかなと感じました。
●失敗を推奨し、新陳代謝の良い企業が育む人材
白井:ウチカフェスイーツプロジェクトも、現状のコンビニスイーツは女性から支持をいただけてないので、その改善案を考えてみろと、社長の新浪から言われたことが始まりです。
藤元:そうなんですか。多少ステレオタイプな言い方をすると、やはり社長の若さって関係してくるんでしょうか。
白井:社長からは、失敗をどんどんしろと言われます。色んなことにチャレンジできる環境だと思います。
藤元:最近は、新しく若い役員が登用されたり、外からも積極的に人を入れたりされてますね。
外から見ていると、あんなことをやると社内で叩きあげてきた人たちのモチベーションが下がるのではないかと心配したりするのですが、
そういうことはないのですか?
白井:そもそもローソンは人の循環が多い企業だと思います。こういう人が来たからソリがあわない。
だからやめておこうなんて言っていると、仕事が進みません。どんな上司が来ても対応しようというようなことを同期の仲間が集まると話をしていたりします。
私たちは周囲の環境に順応することが得意なのかもしれません。
藤元:そういうところは、素晴らしいですね。
白井:最近は特に外国人留学生の採用も多いです。社長の新浪は、ダイバーシティの混沌とした中からアイデアが出てくる会社にしたいと言っています。
例えば、私の同僚は台湾出身なのですが、盛り上がっている台湾のFacebookがどんな使われ方をしているのかを教えてもらったりしています。
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