≪No.19≫ステルスマーケティング



 昨年はフラッシュマーケティングの「おせち問題」で幕を明けたが,今年は「食べログのやらせ問題」が新年の話題を賑わしている。 食べログが公認していない代理店と称する会社が有料で点数をあげるための書き込みをしますと営業していたことが判明したと食べログが発表し, 実際そうしたサービスを利用したお店も存在していたことが発覚した。これまでも食べログをよく利用する人達の間では不自然な書き込みや点数が存在していることは有名な話であり, ようやく実態が明らかになったということである。

 この問題は食べログのポジションにも関係する。ネット上の飲食情報の二大サービスと言えば「食べログ」と「ぐるなび」がある。 ぐるなびは店舗からお金をもらって情報を掲載する広告型のサービスである。もちろんぐるなびの店舗紹介は「最高の味」「落ち着いた店内」など自らのお店を賞賛する言葉が踊る。 サービスを利用する側も当然お店が書いているわけなので,自分の中で割り引いて判断することになる。

 一方で,食べログはもともと利用者達が勝手にお店の情報を投稿し,評価していくところからスタートしている。 メニューの写真まで利用者が一生懸命撮影したものが掲載されているため,よく見えないようなメニューまで掲載されていることがあるが利用する側はそれは仕方無いと判断する。 あくまで利用者視点で利用者のための情報だと信じて利用するわけであるからぐるなびとはそもそもの情報の見方が異なる。 利用者は使い分けをしていたと言える。

 しかし,食べログもビジネスである以上ビジネスモデルとして有料で店舗が情報を掲載できるサービスを始めた。 口コミはそのままであるが店舗がPRできるようになったため,前述のように代理店が店舗に営業をすることが行われるようになったわけである。

 ネットビジネスとして分析するとぐるなびは店舗側のための「販売代理」,食べログは利用者側のための「購買代理」とポジショニングすることができる。 そう考えるとぐるなびは店舗から費用をもらって当然であり,利用者のための販売代理である食べログは利用者から手数料をもらってよいことになる。 実は食べログは利用者からお金をとるモデルもすでに実現しており,iPhoneアプリでは有料会員だけが点数検索ができることになっている。


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